TWE(TWEplus) 基本操作マニュアル


   本マニュアルの画面は英語版を使用しておりますが、操作手順は日本語版と同様です。
   日本語版をご使用の方も本マニュアルをそのままお使いになれます。

<目次>

<録音の手順>

  1. 「TWE(TWEplus)」を起動します。

  2. 「フォルダの参照」ダイアログが表示されますので、そのままOKをクリックします。

    フォルダの参照

  3. File(ファイル)」>「New(新規作成)」を選択し、これから録音するオーディオデータのタイプやクロック周波数を設定します。初期設定では「WAVE 44.1kHz 16bit Stereo」のファイルが作成されます。CDを作成する目的で録音される場合は、このフォーマットに設定していただくことをお勧めします。

    ファイルの種類設定

  4. Length(長さ)」の項目にて、これから録音するソースの長さを指定します。5分の曲であれば「In Time(時間指定)」を「5min 0sec 0msec」と指定します。

    曲の長さを設定

  5. NEW(新規作成)」ボタンをクリックします。

  6. TWEplusの録音ボタンをクリックして、録音を開始します。

    録音ボタン

  7. 必要な部分の再生が終了したら、TWE(TWEplus)の停止ボタンをクリックします。

  8. 必要に応じてファイルを保存します。

目次へ

<数曲を一気に録音した後に、1曲ずつ切り出す場合の手順>

  1. 録音されたデータの波形から、1曲分をマウスでドラッグして選択します。

    選択した状態

  2. Edit(編集)」>「Selection to New(選択範囲を新規ウィンドウで開く)」をクリックします。

    新規ウィンドウ開く

  3. 選択された範囲だけが新たなファイルとして開きます。

    開いた状態

  4. File(ファイル)」>「Save As(名前をつけて保存)」を選択して、ファイルを保存します。

    ファイルの保存

  5. 手順1.〜手順4.を繰り返します。

目次へ

<フェードイン/フェードアウトの方法>

  1. フェードイン/フェードアウトしたい範囲をマウスでドラッグして選択します。

    選択

  2. Edit(編集)」>「Fade In(フェードイン)」を選ぶと、選択範囲でだんだんとボリュームが上がるフェードインとなります。

    フェードイン選ぶ



    フェードイン完了

    Edit(編集)」>「Fade Out(フェードアウト)」を選択すると、だんだんと音が小さくなるフェードアウトとなります。
    フェードアウト完了

(補足)
市販の音楽CDでご存じかと思いますが、例えば曲の途中の部分だけ録音したものや、ライブ演奏の録音で、前後に音が入っているようなものの場合にフェードイン・フェードアウトを使用すると、突然演奏が始まったり、終了したりしない自然なデータにすることができます。また、オーディオデータの一部分を切り出したときに、前後を非常に短い範囲でフェードイン・フェードアウト処理をしておくと、音の切れ目に入る「プツッ」というノイズを回避することもできます。

目次へ

<録音したデータの音量を大きくする>

最も簡単な方法は、「Normalize(ノーマライズ)」を行っていただくことです。Normalize(ノーマライズ)とは、オーディオデータの最大音量を、歪まない最大の音量まで引き上げる操作です。手順は下記のとおりです。

  1. オーディオデータが読み込まれている状態で、「Edit(編集)」>「Select All(すべて選択)」を選択します。

    ノーマライズ前

  2. Edit(編集)」>「Normalize(ノーマライズ)」を選択します。

    ノーマライズを選択

  3. 「Normalize(ノーマライズ)」の画面で、「Rate(レート)」を例えば「95%」に設定します。
    100%以上に設定しますと、音割れやノイズの原因となりますので、90%〜99%の範囲で設定してください。

    ノーマライズ実行

  4. 「OK」ボタンをクリックするとNormalize(ノーマライズ)が実行されます。

    ノーマライズ完了

<ノーマライズをかけても音量が大きくならないときは?>

Normalize(ノーマライズ)は、前述のとおりオーディオデータの最大音量を、歪まない最大の音量まで引き上げる作業です。そのため、歪む最大のポイントと、現在録音されているデータの最大音量のポイントが近いと、その分引き上げられる音量も小さくなります。Normalize(ノーマライズ)をかけても音量が大きくならない場合は、現在表示されているデータに、極端に音量が大きくなっている(波形が大きくなっている)ポイントがないかを確認してください。下記の図をご参照ください。

ノーマライズ前

↓このようなデータにノーマライズをかけても・・・

ノーマライズ後

ほとんど変わらない結果になります。

目次へ

<EQを使って音質を変える>

録音したデータの音質を変えたい場合は、「Edit(編集)」>「Select All(すべて選択)」した後に、「Edit(編集)」>「EQ(イコライザ)」を選択します。

EQの画面

このイコライザーは、「3バンドパラメトリックイコライザー」で、それぞれ3つの帯域で独立して音質補正を行うことができます。3つの帯域を調節したものを組み合わせて綿密な音作りができるのですが、細かく編集する場合は音響に関する知識が必要ですので、ここでは深く触れずに、簡単なポイントだけご紹介します。
例えば低音を強調したいときは「LOW」と書いたボタンをクリックして、上のグラフの低い音の場所を上にドラッグしますと、低音が強調されます。「EQ(イコライザ)」ボタンをクリックすると実行されます。
低音ブースト

高音のノイズを目立たなくしたい場合は、「High」と書いたボタンをクリックして、グラフの高い音の場所を下向きにドラッグします。こうすると高域が下がってノイズが目立たなくなります。
高音カット

さらに、「High」ボタンの「Q」と書いた場所にコンピュータキーボードで「0」を入力しますと、「HSF」という表示になります。これは、「ハイシェルビングフィルター」の略で、指定された帯域よりも高い部分をカットするときに使用します。高域の非常に高いところでノイズが気になる場合は、この設定にして高域をカットするのもひとつの方法です。
HSFでの高域カット

同様に「LOW」ボタンの「Q」で「0」を入力すると「LSF」と表示されます。これは「ローシェルビングフィルター」で、指定された帯域よりも低い部分をカットするときに使います。
LSFでの低域カット

この「Q」の値は、数値が大きくなるほどカーブが急になります。つまり、「Freq(周波数)」で指定された帯域に対してどのぐらいの幅でブースト・カットするかを決める値です。例えばノイズの成分が5KHzのポイントだけにあり、その部分だけをカットしたい場合は、「High」ボタンをクリックして、「Q」を「10」、「Freq(周波数)」を「5000」、「Gain(ゲイン)」を「-20.0」と指定すると、その部分だけをカットできます。
ノッチフィルターとしての使い方

いずれも、録音したデータによってそれぞれ適切な値があります。極端な音質補正は、全体の音質に影響しますので、最適なポイントをいろいろと研究していただくとよいでしょう。

目次へ

<別々に録音されたオーディオファイルをひとつのファイルにつなげる>

ここではオーディオファイルNo.1とオーディオファイルNo.2をひとつのファイルにまとめて、再生する順番はNo.1>No.2の並びになるデータを想定します。手順は下記のとおりです。

  1. オーディオファイルNo.1とNo.2を、それぞれ「File(ファイル)」>「Open(開く)」で開いておきます。

    2枚のファイルを開く

  2. File(ファイル)」>「New(新規作成)」を選択して、空のデータ(仮にオーディオファイルNo.3とします)を用意します。

    新規ファイル作成

  3. オーディオファイルNo.1を表示させて、「Edit(編集)」>「Select All(すべて選択)」を選択します。

    No.1をすべて選択

  4. Edit(編集)」>「Copy(コピー)」を選択します。

    No.1を貼り付け

  5. 画面を空のデータに切り替えます。

    切り替え

  6. Edit(編集)」>「Paste(貼り付け)」を選択しますと、オーディオファイルNo.1がNo.3にコピーされます。

    No.1終了

  7. 同様にオーディオファイルNo.2を表示して、「Edit(編集)」>「Select All(すべて選択)」を選択します。

  8. Edit(編集)」>「Copy(コピー)」を選択します。

  9. 画面をオーディオファイルNo.3に切り替えます。

  10. オーディオファイルNo.2を貼り付けしたい場所をほんの少しだけ選択して、「Edit(編集)」>「Paste(貼り付け)」を選択しますと、オーディオファイルNo.2がNo.3にコピーされます。

    No2の貼りつけ

  11. 必要に応じて、オーディオファイルNo.3を保存します。
(補足)
ちなみに、最初にオーディオデータNo.1を別名で保存した後に、No.2をコピーして貼り付けする方法でも同様の作業ができます。

また、上記の手順を応用することで、例えばオーディオファイルNo.1の前半とオーディオファイルNo.2の後半を1つのファイルにまとめる作業も可能です。メドレーのデモを考えるときや、ご自身の好きな部分(例:サビだけ、ギターソロだけ)をまとめたファイルを作りたいときに便利です。ただし、貼り付けする位置に注意しないと、データが重なったり、変なつながりになりますので、操作するときは慎重に行ってください。

目次へ

<DC Offset(直流成分の除去)の意味>

録音時に、音は電圧信号になってPC(パソコン)に取り込まれます。 そのときに、録音されたデータに有害な直流成分が乗ってしまう場合があります。この直流成分がありますと、例えば再生開始/終了時にプツンというノイズが発生したり、 クリップが発生しやすくなるなど、あまりよいデータにはなりません。録音が終了したら、この作業を行っていただくことをお勧め致します。手順は下記のとおりです。

  1. 録音されたデータが読み込まれている状態で、「Edit(編集)」>「Select All(すべて選択)」を選択します。

    すべて選択

  2. Edit(編集)」>「DC Offset(直流成分の除去)」を選択します。

    DC Offset選択

  3. 「DC Offset(直流成分の除去)」の画面で、「Auto Elimination(自動消去)」を選択して、「OK」をクリックします。

    DC Offse画面t

  4. 処理が終了したことを示す画面が出ましたら「OK」をクリックします。

    DC Offset完了

目次へ

<起動時に出てくる「フォルダの参照」の意味>

TWE(TWEplus)を起動したときに表示される「フォルダの参照」は、TWE(TWEplus)がオーディオデータの編集を行うときに、作業を行うハードディスク上の場所を指定するものです。(TWE(TWEplus)はメモリを使わずに、ハードディスク上の空き領域を使って作業を行う仕様です。)このときに選択されるフォルダは、ハードディスク上で充分に空き領域がある場所を選択してください。通常は、TWE(TWEplus)がインストールされたフォルダになりますので、そのまま「OK」を選択してください。

目次へ

<録音したオーディオデータの再生スピードを変える>

  1. 再生スピードを変えたいデータを、「File(ファイル)」>「Open(開く)」で開きます。

  2. Edit(編集)」>「Select All(すべて選択)」を選択します。

  3. Edit(編集)」>「Time Comp/Exp...(タイムストレッチ(長さを変更))」を選択します。
  4. 長さを割合で指定します。速くしたいときは左側へ(75%まで)、遅くしたいときは右側へ(125%まで)スライダーを動かして「OK」をクリックします。

    タイムストレッチ

(補足)
この機能は、例えば耳コピーを行うときに、速いフレーズを遅くして確認することなどに便利です。ただし、極端に遅くしたり速くしますと、もともとのデータと比較して音質が極端に落ちますので、大切なデータに対して編集を行うときは、必ずバックアップデータをとってから行ってください。

目次へ

<録音したオーディオデータの音程を変える>

  1. 音程を変えたいオーディオデータを「File(ファイル)」>「Open(開く)」で開きます。

  2. Edit(編集)」>「Select All(すべて選択)」を選択します。

  3. Edit(編集)」>「Pitch Shift(ピッチシフト(音の高さの変更))」を選択します。

  4. 音程をCent(セント)単位で指定します。100Cent(セント)=1半音ですので、例えば1音上げる場合は200Cent(セント)、1音下げる場合は-200Cent(セント)と指定して、「OK」をクリックします。

    ピッチシフト

(補足)
音程は-498〜498Cent(セント)まで変更できますので、それ以上変更したい場合は、変更を繰り返してください。1オクターブ上げる場合は、例えば400Cent(セント)を3回繰り返す、というような流れです。

ただし、極端な音程の変更を行いますと、人間の声は声質が変わったり、音階のない音(例:シンバルなどドラムの音)は変な響きになりますので、ご注意ください。

目次へ

<曲の無音部分にあるノイズなど、必要のない音を消す>

  1. 削除したい部分を、ドラッグして選択します。

    ノイズ部分を選択

  2. Edit(編集)」>「Silence(無音状態)」を選択しますと、選択された範囲の音が消えます。

    消えた後

(補足)

この場合は、選択された範囲が完全に無音になります。例えばライブ録音などで、ある部分だけノイズが入った場合などは、完全に無音にしたくないこともあるでしょう。その場合は、「Edit(編集)」>「Gain(音量)」で、ノイズの部分の音量を下げるとよいでしょう。

目次へ

<オーディオ入出力の設定で、入力先と出力先をそれぞれ別のデバイスに変える>

音声の入力先および出力先はそれぞれ個別に設定することができます。メニューの「Options(オプション)」>「Windows Sound Device Configuration(オーディオ入出力設定)」で、「Input(入力)」および「Output(出力)」をそれぞれ選択してください。ただし、お使いのオーディオデバイスによっては、片方だけでの使用ができないものもあります。その場合は、録音するときと再生するときで切り替えを行ってください。

デバイス設定

目次へ

<File Backup(バックアップモード)について>

メニューの「Options(オプション)」>「File Backup(バックアップモード)」にチェックが入っている場合は、オーディオファイルを読み込んだときに、オーディオデータのオリジナルを編集せず、コピーのファイルを編集するモードです。大切なオーディオデータを開くときは、事前にこの「File Backup(バックアップモード)」にチェックを入れてからファイルを開いていただくと、大切なデータをバックアップしたままで編集を行うことができます。
ご注意いただきたいのは、ファイルを開く前にチェックを入れることです。ファイルを開いた後にチェックを入れても有効になりませんので、大切なファイルを開く前に、必ず確認していただくとよいでしょう。

目次へ

<TWE(TWEplus)で読み込みできるファイル形式について>

TWE(TWEplus)で読み込みできるファイルフォーマットは、「.wav」「.aiff」「.mp3(TWEplusのみ)」です。そのため、例えば音楽CDをCD-ROMドライブから直接読み込むことはできません。音楽CDはTWE(TWEplus)で読み込みできるファイル形式で保存されておりません。CDプレーヤーから再生して録音するなどの方法で読み込みしてください。

目次へ

Copyright ©2004 YAMAHA CORPORATION All rights reserved.